野球
野球の主なスポーツ外傷、障害
- 1位 手指部の骨折
- 2位 足関節の捻挫
- 3位 手指部の捻挫
- 4位 前腕骨折
- 5位 眼球打撲
主な外傷
主な障害
野球肘
症状
- 外側:深刻なケースで、骨や軟骨がこすれ合って部分的に折れたり剥がれたりする。いわゆる関節 ねずみと言うのは、この症状が進み関節の中で剥がれた軟骨の一部が動き回る状態のことを言う。
- 内側:野球肘で最も多く見られるもので、投球動作による負荷の反復で筋肉と付着部の骨に障害が 起きる。重症になると骨が剥がれることもあるが、外側よりも軽くすむ例が大半だ。
- 後ろ側:投球動作の投げ終わりで腕がまっすぐになった時に肘の後ろ側で骨と骨がぶつかり合って障害が出る。
治療
野球肩(インピンジメント症候群)
症状
治療
野球肘
投球過多(いわゆる投げすぎ)のみならず投球フォームによっても傷害を発生させることがあるので、 投球動作そのものを理解することが、傷害予防につながります。また肩・肘のみならず、体幹を支える腰背部、 膝関節、手関節などにも傷害がみられます。投球動作とともに打撃・走塁に対する一連の動きを理解する必要があります。
投球
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ワインドアップ期投手が投球動作のはじめでボールを持った手がグラブの中に収められている状態です。この段階は肩・肘の傷害はあまりみられません。
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アーリーコッキング期ボールを持つ手がグラブからはなれて投球動作にうつり、前足が着地するまでのところです。ボールを持った手が後に引きすぎて肩の前方を痛める原因となります。
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レイトコッキング期さらに加速していき、前足が着地してから投球する肩が最大外旋になるまでの状態です。投球側の肩が十分に上がりきらないまま加速すると、肩の前方や肘の内側を痛めやすくなります。
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アクセラレーション期投球肩が最大外旋した状態から、ボールが離れるところまでの状態です。急激なひねり動作が入ってくるため、回旋腱板が重要な役割を果たします。
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フォロースルー期ボールが離れてから振り下ろすところまでの状態です。振り下ろす位置が地面と平行になるまでをアーリーフォロースルー、それ以降最後までをレイトフォロースルーともいいます。しっかり振り下ろさないと肩や肘の後方にストレスがかかります。
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損傷原因
「部位(~筋、~靭帯、~腱)に直達・介達外力(過捻転、過伸長、過牽引)が働き」
ⅱ対象B
「部位(頚部、腰部)に直達・介達外力(過屈曲、過伸展、過側屈、過回旋)が働き」
ⅲ対象C
「部位(肘部、膝部、足部、手部、指部)に直達・介達外力
(過屈曲、過伸展、過外反、過内反、過回旋)が働き」
ⅳ負傷原因パターン
②相手ピッチャーが投げたボールが部位にぶつかり脱臼、骨折、打撲、捻挫、挫傷した。
③走しっているとき転倒し対象A~C脱臼、骨折、打撲、捻挫、挫傷した。
④走しっているときよろけて対象A~C脱臼、骨折、打撲、捻挫、挫傷した。
⑤投球した際対象A~C脱臼、骨折、打撲、捻挫、挫傷した。
⑥スウィングした際対象A~C脱臼、骨折、打撲、捻挫、挫傷した。
例、投球した際よろけて腰部が強く回旋されて捻られ負傷
肩・肘の張り・痛みと投球フォームの関係
投球後に張りや痛みが出てもよい部位、いけない部位
④肩の後ろ側(三角筋後部・棘下筋・小円筋),
⑪肩甲骨の内側(大・小菱形筋)と⑬外側(前鋸筋・広背筋),
⑦肘の内側(内側上顆周辺),⑩前腕の小指側(尺側手根屈筋)
●張りや痛みが出てはいけない部位⇒下図赤色の部分
①肩の前側(上腕二頭筋腱),⑤上腕の前側・⑥外側(上腕二頭筋),③胸(大胸筋・小胸筋),
⑧肘の後ろ側(肘頭付近)と⑨外側(外側上顆周辺),②肩の深部(肩峰下部・上腕二頭筋長頭起始部),
⑫首の付け根から肩にかけて(僧帽筋)
張りや痛みの出ている部位と予想される投球フォーム
張りや痛みの出ている部位から自分の投球フォームが今どうなっているのかイメージできるようにしましょう!
張りや痛みの出ている部位 悪化したときに起こりうる症状 肩の前側・深部,胸(肩に近い部位) [上腕二頭筋腱炎,関節唇損傷,胸郭出口症候群など] 肘の内側 [内側上顆炎,関節ネズミ,内側側副靱帯損傷など] 上腕の前側,肘の後ろ側,肩の深部 [上腕二頭筋肉離れ,関節ネズミ,ルーズショルダー, 腕を上げたときの肩峰下でのクリック音など] 上腕の外側,肘の外側 [外側上顆炎,関節ネズミなど] 投球腕側の首の付け根から肩にかけて [寝違えの慢性化,頸椎のズレ,片頭痛など] ⇒前脚の膝にも影響が出る可能性あり [半月板損傷など] |
予想される投球フォーム ・肘が下がった状態で体が開いている。 ・テイクバックが肩甲骨面より後ろで、肩の前側を 支点とした、いわゆる"かつぎ投げ"をしている。 ・肘のしなりや肩の外旋がうまく使えていない。 ・肘が下がり、肩の外旋に負担がかかっている。 ・肘が下がり、肩の外旋が制限されるため、肘の外反ストレス(肘内側への牽引ストレス)が増している。 ・フォロースルーが中途半端で、鞭を打つような腕の止め方をしている。 ・肩甲骨と腕をペアで動かしていない。 ・前脚に体重がのっていない。 ・ボールリリース後、肩の内旋・前腕の回内 (内側へのひねり)を強調しすぎている。 ・肩をすくめてテイクバックしている。 ・テイクバックが肩甲骨面より後ろで肘がゼロポジションの高さまで上がらず、投球腕と反対側に体を倒すことで、見かけ上肘が上がっているように見える。 そのため、無意識のうちに投球腕側に首を傾ける 動作が起こり、首から肩にかけて負担がかかる。 ・前脚の膝が外に割れている(toe-in/knee-out) |
野球練習や試合中に発生することが多い外傷
ボールが指に当たる、いわゆる突き指損傷で脱臼や骨折しているケースも非常に多いです。ひどいケースでは指の骨が砕けてしまうこともあります。
②足関節の捻挫・骨折
ベースランニング、スライディング時などに発生しやすくスパイクの着用が怪我を大きくする原因の一つになっているようです。スライディング勢いとスパイクのストップ効果で大きな力が加わりることによるものもあります。
③前腕骨折・前腕部挫傷
スライディングキャッチなどで前腕の骨折も多いケガです。
④眼球打撲
キャッチミスによってボールが眼に当たり発生します。
野球肘
- 外側:深刻なケースでは骨や軟骨がこすれ合って部分的に折れたり剥がれたりする、いわゆる関節ねずみといわれるもので、この症状が進み関節の中で剥がれた軟骨の一部が動き回る状態に陥ることもあります。
- 内側:野球肘で最も多く見られるもので、投球動作による負荷の反復で筋肉と付着部の骨に障害が起きます。重症になると骨が剥がれることもありますが、外側よりも軽くすむ例が大半です。
- 後ろ側:投球動作の投げ終わりで腕がまっすぐになった時に肘の後ろ側で骨と骨がぶつかり合って障害が出るものです。